(夕方に見た、松前さんの肉を盗った猫だ……!)



近くで見たら、改めてその大きさが分かります。



(立ったら私の背(152㎝)の半分以上はある…………)



恐怖もありましたが、少し好奇心も湧いてきたので、猫の前でしゃがんでみました。



「………………」



チラッと一瞬私を見ましたが、何事もなかったかのように再び肉を貪り始めました。



逃げる気配もないので、私は黒猫の顔をじーーっと見つめました。


……尖った耳はピンと立っており、顔は厳(いか)つく、白くて長太い髭が生えていて、そして何より────




「綺麗な琥珀色の瞳…………」