「おはようございます……」


週末の疲れをそのまま残すことになった私は、週明けなのに週末の手前のようなテンションでいつもの部長のコーヒーを勝手に注いでいく


『靖子ちゃん早いね、おはよう』


奥から現れた顔だけいいこの男に一発睨みをお見舞いする


『えっ?……何か僕』


「心当たりありません?」


顔だけ見ればカッコいいとも取れる義理の兄


「………私の個人情報を勝手に許可なく漏らしましたね?」


『(ど、ど、どうしよう、翠!!今日の靖子ちゃんいつもよりも恐い!)』


もう反省するまで口聞かない……



私は思いっきり冷たい視線を送ったあと、またあのむせかえるロッカールームで着替えをした



「……はぁ、死ぬかと思った」


魔の巣から逃げだしてデスクに向かえば、戻ってきているレセプトに思わず笑う


丁寧な字で『済み』と書かれたそれらに目を通すと、申し分ない解答で私は電算で午後にでも保険者へ送ろうと思った



『おはようございます。』


「香織ちゃんおはよう」


また相変わらずの忙しさが9時から始まり、二人で昼過ぎににダウンした私達に事務長からのお知らせが入る



『今まで月二回だった整形と小児科を週一にして火曜と木曜の午後診療へ変更する案が出た。』