次の週から本レセといって、保険者ごとに病名に対して正しく検査されているかを見る作業に追われる月頭の仕事に悩まされる日々



『靖子さん、私空いたので書類の仕事あれば手伝います。』


三時頃、そんな天使のような声に溜まっていたファイルを差しだし泣きそうになる


「香織ちゃんが神様に見える」

『靖子さん頑張って下さい、今日は歓迎会ですから何としても終わらせましょう!』


『原田、俺も貰うよ。』


主任……

「じゃあ、はい。」


『うおっ!!……(ちょっと多くない?)』


振り向きもせず渡された束の厚さに無理とも言えずに受けとると裏のデスクに引っ込む彼


今は一枚でも見てくれる人が必要……


静かな空間の中、今日が午後診察がなくて死ぬほど感謝しますと心のなかで手を合わせる。


『……もしもし、医師事務の安堂ですが先生宜しいですか?』



暫くたった頃、私の睡魔が香織ちゃんの一言で書き消される



『え?いいんですか?……はい、すみません。』



「どうかした?」


静かに受話器を置いた彼女は書類を掲げると小さく頭を下げる