私はコーヒーを飲み干すと、カップを洗って事務部を出た。制服に着替えるためにロッカーに向かいノックをしてからドアを開ける。



「失礼します……おは…………ウッ」


深呼吸をしてから入ったものの、そこへ足を踏入れれば、沢山の香りが混じった室内に胃がキュッと締め付けられていく


なん……なの


いつもよりも酷いかも。


そこには、先に出勤していた看護師の皆様が、鏡に向かって念入りに自分を磨いている最中


「(……ここで香水とか勘弁してよ。)」



小さな換気扇しかないロッカールームは、最早、頭から香りをぶっかけられたような気分になる


『あら、原田さんおはよう。』


「あ、岩島さん…うっ…おはようございます。」


項垂れながらも服を脱ぎ、決して可愛いとは言えない地味な制服のカッターに袖を通しながら、吐きそうになるのを堪えた


早くここから出なきゃ私が病気になる


『原田さんってスタイルいいわよねぇ』


はぁ!?