体の向きを変えれば、ルームライトに照された顔が少しだけ笑う


「不安……なんてないと思って」


『クス………俺どれだけ強いのさ』


そう言って私の唇を塞いだ彼は腕の中に私を閉じ込める


不安なんて私だけが持っていると思っていたのに、あんな顔見せられたらどうしようもなくなる


「聖治……さん」


『なに?』


「………私のこと大切にしてくれてありがとう。」



私は離れるのが寂しかったけど着替えもコンタクトケースもないし、家まで送って貰うことにした


暫くは腕から出して貰えなかったけど、あのまま一緒にいたら私はきっとずっとその温もりに甘えてしまうと思ったから


部屋に帰ってシャワーを浴びた時、身体に残された無数の痕があの行為を物語る


「(付けすぎだし……)」


首もとにはついていないそれにホッとする


恋をした26歳

初めて体を重ねて、彼の体温を知る


このまま寝てしまおう


どうせ眠れないはずだから……


それでもアルコールに犯された身体は心地いい香りに包まれていった