次の日


いつものように出勤した私は、着替えを済ませて戻ると当たり前に置いてある新聞と連絡事項のセットを見て溜め息を吐く


「主任これ持っていって貰えませんか?」


既に出勤していた新婚主任にそっと差し出してみる。


やっぱり一日経ってもアイツの顔をどうしても見たくない


『靖子ちゃん、どうしたの?君が朝から大人しくて怖い……』


「体調悪いんです、お願いします。」


そう言って新聞を主任の目の前に差し出す


『でも何か元気じゃない?』


「気のせいじゃないですか?」


『でも』


「持ってくのか持ってかないかはっきりして貰えません?」


『(僕……上司なのに)』


私はそれを強引に押し付けるとデスクにどかっと座った。


ほんとに頭痛いかも…


昨日全然寝付けないまま朝を迎えたし。


とりあえず今日頑張れば週末は休める


午前中は香織ちゃんとまた戦争のような仕事をして、いつものように先にお昼に行ってもらった。


「あー、頭痛い」


本格的に頭が痛くなってきた私は、両手でこめかみを押さえて唸る


痛いというか……


眠い。


明日は1日寝れるな、これは。


『原田さん、大丈夫ですか?もしあれなら森井先生にかかって診てもらったらどうですか?』


長田君……


それが出来ないから頑張るしかないの。しかもその名前禁句ね?


「大丈夫ですよ、疲れてるだけなんで。それよりも香織ちゃん食堂に行っちゃいましたよ。」


私に言われて顔を赤くする彼は、走って外に飛び出していった。


素直だな……長田君。


食欲のなかった私は、部長のコーヒーを勝手にドリップして飲むとまた仕事を再開した。