遅くなるからと帰る彼に、玄関まで一緒に着いていく


「気を付けて帰ってくださいね」


『ん、ごめんね突然来て襲って』


思い出すだけで顔が熱くなる


襲われてないし、危ない言葉を聞いただけだし!



「明日から環境変わりますけど頑張りましょうね、先生」



『今は先生じゃないでしょ?』



ドキン


整った顔がニヤリと笑う


『俺はちゃんと靖子って呼ぶのにな』


維持悪く笑う彼が屈んで私の顔を覗きこむ


「…………無理……恥ずかし……」


『靖子?』


赤いだろう顔に触れてきた手が頬を撫でて私の顎を捉える


『言わないとキスして食べるよ?』


「(!!!)」


どうしよう、ほんとに恥ずかしい


同級生ならまだしも年上だし……



それでも待たない彼はだんだんと近づくと唇に軽く一度キスを落とす


『次は……どうしようか……な』



「ウッ…………せ、せい……」


『ん?何?』



意を決して前を向く


「……せいじっ!」



『クス………いただきます』


結局言っても言わなくてもこうされるんだと優しい唇は悪戯をし帰っていった




熱帯夜、今日はすぐには寝付けそうにもない