ゴールデンウィークもあっという間に終わり、忙しい毎日を送る日々


先週、無事に4月分のレセプトを連合会等に送り終えてほっとする月の中頃


『靖子ちゃん、今週の土曜日空いてる?』


午後、介護申請や診断書依頼の書類を纏めていた私


キャスター付きの椅子で邪魔臭く近寄ってきた主任に、手を止めずに内容を確認する


「土曜日がどうかしたんですか?」


『うーん、翠が遊びに来いって。』


ボールペンか何かで背中をグリグリと押す手を叩けば、隣の香織ちゃんが笑ってくる


ほんとにこの人年上!?


『靖子さんのお姉さん主任の奥さんですもんね』


「うん、そうみたい」


『えっ?靖子ちゃんそれってどういう意味!?僕は君のお兄さんだよ、知ってるよね?』


「お兄さん?義理ですけどね。」


『(翠、君達ほんとに血繋がってる!?)』


『(主任も靖子さん怒ってるからやめればいいのに……)』


ダンッとファイルを綺麗に整えると派手な音がして背後を振り返る


「何してるんですか?邪魔なんですけど。」


勝手に転げ落ちたのか、黙ってれば大人で格好いい顔が情けなく口をへの字に曲げる


『ウッ!!』


「土曜日行きますよ、悪阻も収まってきた頃でしょうし」


寝転ぶ彼に思いっきり椅子をひいて立ち上がれば聞こえた呻き声


それにわざと聞こえる声でため息をはくと、打ったであろうスネを押さえてた顔が嬉しそうに笑う