あの丘の上で【上】



いや、マスクを外して眠っているその姿は…高瀬 雪菜だった。


中西 雛が高瀬 雪菜だとか何だとか、そんなことを考える前にふと目についたのは、頬を流れる涙の筋。


「泣いてる…?」


その言葉が聞こえたのか、ゆっくりとその瞼が開く。


眼鏡を外して、頬に手をやるその姿は明らかに高瀬 雪菜だった。


「あれ?私、泣いてる?」


マスクを通さないその声も明らかに高瀬 雪菜だった。


ただ1つ違うのはその髪だけだった。