それは一瞬だった。


よく見知った部屋、私の秘密の部屋。


1度だけ、響お兄ちゃんを呼んだ、高瀬の家の私の秘密の部屋。


その部屋で、彼は手紙を私にわかるように手放した。


そして次の瞬間、暗部の本部に戻っていた。


顔には何も出さず、あの忌々しい装置に頭を覗かれないようにしながら、さっきのことについて考えた。


報告が終わって、私の部屋に戻り、すぐにさっきの場所まで移動した。


そこには、手紙が落ちていた。