「琴音はもうすぐ帰ってくるんだろ?」


「…思ったより、雪菜ちゃんが危ない気がするのだけれど。私の思い違いかしら?」


昔の、底抜けに明るい彼女しか知らないから。


最近の彼女を知らないから。


あの子の心の、深いところがわからなくて、暗過ぎて読めなくて。


「いや、俺もそう思った。今、琴音に会わせて大丈夫なのか、わからない。」


「その時は私も同行するわ。でも…暗部が面倒ね。」


暗部の網をくぐって、どうやって彼女に近づこうか。


それも、琴音を連れて。


「まずは琴音と合流することが先決だ。それと、響もだな。」