「ここでのことも、思い出して欲しいのだけれど。でも、それが雪菜ちゃんの負担になるなら、思い出さなくてもいいの。」 「私…私には失った記憶があるんですね。」 「でも、いくら消されても、あなたの深いところがおぼえていてくれた。私はそれが嬉しいわ。」 その言葉が私には嬉しくて。 「あら、どうしたのかしら。…本当、可愛い妹ですこと。」 私よりも少し背の高い沙羅さん。 その肩口に頭をおいて、その背中に腕を回した。 私はうまく感情を表現できないみたいだ。