あの丘の上で【上】



「そうねぇ、私も辛かったわよ?
…私は逃げたわ、一度。」


「逃げた…?」


「そう、一人ぼっちになっちゃってね。もう、どうでもいいやって思っちゃったの。それで逃げた。」


辛そうに、そう言った。


「でもね、好きな人が私のところに帰ってきてくれたの。」


そう続けて言った顔は嬉しそうで。


「好きな人って、アレンさん…?」