あの丘の上で【上】



僕は少しの間そこから動けなかった。


その間、高瀬さんは風に靡く髪を抑えながら、静かに僕の隣に立っていた。


「ごめん、ぼーっとしてた。そろそろ行こう。」


どれくらい時間が経ったんだろう。


時計を見るともう9時30分だった。


高瀬さんを自転車の後ろに乗せて、自転車を走らせた。


高瀬さんは後ろから地図で指示をする。