僕は少しの間そこから動けなかった。 その間、高瀬さんは風に靡く髪を抑えながら、静かに僕の隣に立っていた。 「ごめん、ぼーっとしてた。そろそろ行こう。」 どれくらい時間が経ったんだろう。 時計を見るともう9時30分だった。 高瀬さんを自転車の後ろに乗せて、自転車を走らせた。 高瀬さんは後ろから地図で指示をする。