あの丘の上で【上】



「私は…そんなに弱くないよ?」


瞳をそらすことなくそう答えられる。


「泣かないことが強いってわけじゃないと思うけど。」


ふと、彼女の左腕を見ると、そこには黒くこびりついた血。



傷口はすっかり塞がっていた。


大方、能力を使って治療されたのだろう。


「ちょっと待ってて。」


1度丘をおりて、ハンカチを水で濡らす。