夏の間、純粋に喫茶店の アイスコーヒーを飲みに来る客も増え、体験教室も予約で埋まり、佐藤と智子は忙しい日々を過ごしている。そんなわけで、智子は自分のモヤモヤしていた原因を認めてしまったものの、それをどうにもすることなく、今までとなんら変わらぬ関係を続けている。

「はい、どうぞ」

「いただきます」

喫茶店閉店後、二人は向かい合って夕食を取りはじめる。

「聞いてくださいよ、佐藤さん」