病院に着くと、智子は直ぐに手術室に運ばれ、佐藤は外の長椅子にうなだれて座って待っている。 パタパタパタパタと小走りに近づく足音に佐藤がそちらを見ると美咲が走り寄って来る。 「謙太郎」 「美咲…」 美咲は謙太郎の隣に座る。 「要が今現場離れられないから、代わりに来たんだけど」 「悪いな…」 「悪くなんかないわよ。それより、どうなの?しんちゃん」 「わからない」