「中本ー。コンクール、7月の最後って言ってたよな?」

「うん」

「何日?」

「30日だよー」

「よしっ!俺、見に行くわ!」

「うん。…え?なんて?」

「聞いてなかったのかよ(笑)だから、コンクール見に行くー。」

「えぇ?なんで?」

「見たいから。じゃ、頑張れよー!客席でも応援しとくから!」

「あ、うん!ありがとう!」


今日は、1学期の終業式。
あっという間だったなぁ。

って、違う違う。
さっき、桜木何て言ったの?

コンクールを?…見に?来るー!?


なんでなんで!?
あ、“見たいから”って言ってたな。

あの時眠たすぎて、記憶が曖昧だわ。


でも、見に来るって言っても、どこで何時に演奏するとか、全然知らないんじゃないの…?

桜木、戻ってきてー!


「ふふっ。今の話は全て聞かせてもらいました」

「…盗み聞き!」

「私がコンクールの詳細を伝えておいてあげますよ」

「あ、どうも…」

「いえいえ、では。…こーちゃん部活行こー!」

「さっきのキャラは何だったんだ、まーちゃん…」

「あはははー」


何だかよくわからなかったけど、家が桜木と近くだというまーちゃんに、任せることにした。