「…ごめん。こんな態度とるつもりじゃなかった」

「…私の方こそ、色々とごめんね」


「俺…これからも中本と友達でいたい。今までみたいに、仲良く話したい」

「私…も。自分勝手なのはわかってるけど、桜木とは仲良くしていきたい…」


自分の気持ちを素直に伝えたら、心のモヤモヤが少しなくなった。

それと同時に、桜木の顔が、私を幸せにしてくれる笑顔になった。


「おう!明日、高山祭頑張ろうな!」

「うん!桜木は実行委員も頑張ってね」

「もちろん。頑張るから見とけよ?(笑)」

「はーい(笑)」

それから、ちゃんと“バイバイ”と手を振って、反対方向に歩いていった。


バス停を目指して歩いているときに聞こえた、鼻をすする音と小さな声。

「頑張れ、俺。」

桜木が、そう言いながら泣いていた。


振り返ってないから、本当にそうかはわからないけど、たぶん桜木だ。

だって、泣いている理由は、他でもない私だから。


さっきの笑顔も、無理してたんだね。

私のことを考えて、我慢してたんだね。


桜木は、私の自慢の友達。

いつまでも、大切で大好きな、友達です。