帰って来てほしくない…

それが今のあたしの
正直な気持ち。

中山くんを
あたしから遠ざけないで…


会ったこともない
明日香さんにそう思ってしまって。


───あたしの心は

なんて醜いんだろう…


香乃がストラップを握って
ぎゅっと目を瞑った。


と、その時…


♪♪♪~♪~♪~


スマホが鳴りだして
香乃が慌てて画面を確認。


そして電話に出た。



「もしもし!?」

『はは、急にごめん』

「どうしたの!?」