ある日の日曜日。


香乃がベッドに寝転びながら
ストラップを眺めた。



「…結局、渡せないままだ…」


どうして、

中山くんにこれを
渡せないんだろう…

きっと無くしたって
今頃焦ってるよね。


それにまさかあたしが
持ってるなんて思ってないだろうし…


「……」


やっぱり…、

あたしはまだ中山くんへの想いが
断ち切れてないんだ。


だから、

渡せないのかもしれない。


あたしの心が

この2人が付き合うってことを
認められないんだ…