伊「俺は、"向こう"の世界のミァトーク王国。
国王、バイド・ドヴァ・ハイラークの息子、ミァトーク王国の第二王子だ」
第二王子………。
王家の中で、最も魔力が強大な王子。その底知れない魔力は、歴代最強の王、バイド様の数倍……いや、数百倍とも言われている。
もっとも、その存在は2年前まで隠されていたんだけど。
まぁ、私は知ってたけどね……
蒼「知ってるわよ。
それより………王家の種(しゅ)が吸血鬼だったのは、知らなかったわ。
なんで秘密に?」
そう聞くと、クラフは一呼吸置いて話し出した。
伊「吸血鬼は、民から嫌われているのは知ってるよな?」
蒼「えぇ、でもそれは混血だからでしょ。
正統な悪魔の血を持つ純血の吸血鬼は、民衆から崇められているわ」
伊「あぁ、その通りだ。
この王国の王家の血筋は、ルシファー様から受け継がれている。
正統な悪魔の血だ。それも、地獄を納める王様の」
ルシファー様!?
凄過ぎよ……私の住んでる王国……
伊「だが、吸血鬼は人の血を吸う種だ。余り良く思わない者が多いのも事実。特に、我が王国は………」
そうだったわ。
ミァトーク王国は吸血鬼に対する差別意識が高い。
この前なんて、混血の吸血鬼を滅多刺しにした事件もあったし………
蒼「それでなのね。
この国で、王家が吸血鬼と言えば、間違いなく反乱が起こるわ。
その相手に貴方がなりでもしたら、街が吹っ飛ぶものね」


