彼の姿に見惚れて、何も言わなかった私達に、彼はもう一度言った。
伊「《スリープ》君は誰?」
その瞬間、冬華は眠り、私の頭は、鈍器で殴られた様に痛みだした。
蒼「……あぁ……い、痛い………………」
痛過ぎて、声が出ない。
途切れ途切れの声で、私は自分の名前を言った。
蒼「わ……たし、の………な、まえは………………こ、ぎく…………あ、おり…よ!!…………早く………これ……と、め………なさい、よ!!」
私が言い終わると、彼は首を横に振った。
蒼「………なん、でよ!!」
伊「それは、お前が嘘を着いているからだ。真の名を明かせ」
嘘でしょ!
何で、知ってんのよ!
伊「クスッ……俺に分からない事は無い」
何で分かるの?
嘘、もしかして、私の心を呼んだ?
そんな……読める筈無い!
だって……だって私は………
伊「(メデューサなんだろ?(だから)」
私の心の声と、被った?
そう、彼の声と私の心の声が被ったのだ。私は目を見開き、彼を見る。
蒼「な、んで……知ってるのよ………」
そう言った私の目から、涙が落ちた。その涙は止まること無く流れ落ちた。
蒼「イヤッ!!
イヤァァァァァァァァァァアア!!!」
泣き叫ぶ私の目に映るのは、『絶望』だった。この能力の所為で起こった、過去の事が蘇る。
蒼「ヤメテ!!イヤ!!
イヤだイヤだイヤだイヤだイヤだイヤだイヤだイヤだイヤだイヤだイヤだイヤだイヤだイヤだイヤだイヤだイヤだイヤだイヤだイヤだイヤだイヤだイヤだイヤだイヤだイヤだイヤだイヤだイヤだイヤだイヤだイヤだイヤだイヤだイヤだイヤだイヤだイヤだイヤだイヤだイヤだイヤだイヤだイヤだイヤだイヤだイヤだ」
狂った様に叫ぶ私に、彼は
伊「絶望に呑み込まれるな。
目を覚ませ、"ローズ"」
そう言った


