まぁいいや、どうせもうあの人とは関わることないだろうし。
だって名前もクラスも知らないんだもんね。
私はそんなことを思いながらトイレに向かった。
入ろうとしたとき中から女子の声が聞こえて足が止まった。
こーゆーのって聞きたくならない?
「篠原くん今日も安定の格好良さ。
中学んときからめっちゃイケメンだよねー。」
「ほんとね~あんな人彼氏だったら、うち一回死んでもいいわー。」
「キャハハッ死んだら無意味じゃーん。」
篠原くん、かぁ…
どんな人なんだろう。
恋愛のことは全然わからないけど人の盛り上がっている話題には興味津々の私。
篠原くん、会ってみたいな。
でもどのクラスかもわかんないし。
「篠原くんバスケ部入ったかなー?」
「あ、今日体験入部らしいから見れるよ~。」
…この子達は私の知りたいこと全部教えてくれるな。
私も今日塾ないし、見に行ってみようかな。
キーンコーンカーンコーン………
あっ、予鈴!!
予鈴遅刻になっちゃう、急がなきゃ。

