それから数日が経って、やっと宗一郎さんが帰ってきた。

久しぶりに見る彼は心なしか頬がやつれ、少し疲れてるように見えた。

そんな宗一郎さんは帰ってくるやいなや私を抱き締めると、とても激しいキスを繰り返した。


「梨央、元気だったか?」

「……は、い。宗一郎さん、は?」


途切れ途切れで言葉を返す。

感情のない瞳に、欲望だけの愛撫。

その後当たり前のように服を脱がされた私は宗一郎さんのなすがまま。ベッドの上で容赦なく抱かれると、心がまた一瞬で冷えきっていく。


ああ、またこの生活が始まってしまった。

約1ヶ月ほど、とても快適でのんびりとした生活を送っていたせいか、宗一郎さんに触られるのがとても苦痛。
できるなら触れてほしくない。

宗一郎さんから香る香水の匂いがやっぱり不快で、何度も気分が悪くなりそうになった。

けれど私に拒否権なんてない。

逃げ道なんてない。

そんな生活が一週間ほど続くと、どうしてか無性にコウさんに会いたくなった。

屋上に行ってまた言いたいことを言い合いたい。

コウさんとたくさん話したい。

あのゆるりとした時間が妙に切なくて、恋しくてたまらなかった。