やり残しノート ~私の存在~

「なあ?真央。外の景色はさっ、桜でもあんのか?」

「うん。満開だよ。」

私の胸には小さな小さな携帯電話がぶらさがっている。

私は、重いがん。だから、病室から出るときにはこれを付けていく。

GPSや電話機能がつけられた、この特別電話は龍太もつけられている。


「ねえ、龍太。」

車椅子を動かしながら聞く。

「なに?」

「私の顔、どんなんだと思う?」

「うーん。ブス。フッ」

「え。ひどくない?ハハッ」

「嘘嘘、めっちゃめっちゃ可愛い。」

は、ハズカシいじゃん。

ずるいよ。

私と龍太は友達、、だよ。