「婚約者を忘れるなんてひどくない?かりんちゃーん」

忘れてたわけじゃない・・・・


思い出したくなったんだ・・・・


この最低な・・最悪な男を・・・


この美しくてかっこいい顔に潜む、悪魔を・・・。




*小5*

「初めまして。環椿慧徳です、こっちは息子の玲斗です」

見慣れないおじさんにかっこいい男の子


「初めまして。滋賀嘉壱です、こっちが娘の花梨」

パパはいつもより少し焦った感じに

「ご挨拶しなさい」と言った。


「初めまして。滋賀花梨です。小等部5年です」

いつもの様に小さくお辞儀をして自己紹介。


もう、何十回としているから分かってる。


「初めまして。環椿玲斗です。同じく小5.」





コレがなんなのか小5のあたしはわからなかった。

これが婚約なんて・・・


思ってもなかったんだ・・・。





「じゃァ、6人でご飯でも行きましょうか」

言ったのは玲斗のお母様。

「それはいいですね。行きましょうよ。」

ママはなぜかノリノリ。



あたしは速く帰りたい。

今日本当は刹稀とかと遊ぶはずだったのにぃ・・・。