そこは普通の教室だった。


しかし、椅子が5個しかない。

勿論机も5個。


「なんで5個?」


「それは・・・」



「玲斗――――――!!!!!!!!!!」

大きな声が響きわたった。

あの声とともに生徒会室のドアがダン!と大きい音を立ててあいた。


「玲斗!新しい子は~?」

「聖香<せいか>うるさいって」

「だってどんな子かみたいでしょ?梓沙<あずさ>」


そこに現れたのは

背が小さくてクルクルの髪を高い位置で2つに結んだ子と


逆に背が高くて黒い髪をおろしてる大人っぽい子だった。


「こいつ、滋賀花梨」

玲斗は手短にあたしをその2人に紹介する。

「あなたが花梨ちゃん?」

小さい子が話しかけてきた。

「あ、はい。滋賀花梨です」

「あたしね、桃之宮聖香<もものみやせいか>っていいます♪
花梨ちゃんと同じ高等部1年だよ!聖香ってよんでね!」

聖香は大きくてくりくりした目を輝かせていった。

「あたしは黄葉月梓沙<こはずきあずさ>だよ。
こう見えても花梨ちゃんとかと同じ高等部1年だから・・・よろしくね」



桃之宮聖香


桃之宮ホテルの社長令嬢。
世界1とも言われる桃之宮ホテルの一人娘。


黄葉月梓沙

黄葉月家の1人娘。
先祖代々茶道の家元である。