これ以上、幸せそうな家族の中で疎外感を感じることはないんだと。
「それからはずっと、2人きりで暮らしてた」
仲のいい友達にも、芽衣子にも言ってない、心の闇の部分を真央に話してしまった。
後悔もあったけれど、今までずっと心に仕舞っていたもの吐き出したら、少し心が楽になった気がした。
着ていてた部屋着の袖で目元を拭った。
真央は私の話を咀嚼し、黙り込んだ。
足を組み、いつものクールな表情で右手を顎の下に当てている。
「まぁ、母親としての役割に不満があるのはここでは目を瞑るとして、嫌いとか憎いって言うのはどうかと思う。仮にも、お前を産んだ実の母親だろう?」
ジーンズのポケットに両手を突っ込み、少し前かがみの体制になった真央は足を前に伸ばす。
眠たそうな視線が足先を眺めている。
そういえば、真央は赤ちゃんの時に施設に預けられたって聞いた。真央はお母さんの記憶がないんだ。
「ゴメン、真央の気持ちも考えずに、自分勝手なことばかり言って・・・」
感情に任せて酷い言い方をしてしまったと反省する。私だって、本気でママを憎んでいるワケじゃない。
「俺のことは別にいいけど、まぁ、反抗するよりは愚痴ってお前の気が済むならそれ方がいいんじゃねぇの?好きな男と母親がイチャついてたら、ムカつくと思うし、俺にはそういう人いないからよく解んねぇけど」
「それって、これから真央に愚痴ってもいいって意味?意外、真央って私のこと嫌いだと思ってたから」
「別に、嫌いじゃない」と呟き、真央は立ち上がった。

