フシギな片想い



私のこと解ったような振りして、言わないでよ。


ぎゅっと唇を噛みしめると玄関に向かった。




「どうした?」


扉が開くと、真央はぎょっとした顔で私を見ていた。


泣くのを堪えて、腫れた頬を抑えてたから、ブサイクな顔をしていたに違いなかった。


「ママと喧嘩した。今日は真央の部屋に泊めて」


「家出?何故、俺の部屋?つぅか家出だったら、ガキでも近くの公園とか、学校とか、もっと遠出するだろ」


「だって、他にいい場所が思い浮かばなかったんだもん。ママの顔見たくないし」


そう告げると、真央をの了解も得ずに、部屋に上がり込んだ。


「おい、ちょっと、何だよ?」慌てて真央は私を振り返った。


私は構わず、ステップを上がり、真央の洋服ケースの中からタオルを1枚拝借して、ベッドの足元にある、タイムカプセル型の椅子に膝を抱えて座った。


頭部に付いたフードを足元まで覆うと、視界が遮断され、私だけの空間が出来上がった。


ぼろぼろと零れてくる涙をタオルで拭う。


嗚咽が漏れないように、歯を食いしばった。


突然部屋に押しかけられて、困惑気味の真央は、ゆっくりとこちらに近づき、ベッドの端に座った。


フードに真央の影が映る。