些細なことでママと喧嘩してしまった。


ここの所、ママは仕事が忙しそうで、イライラしているのは知っていた。


そういう時は放っておくのが一番だって解ってはいたのだけれど、つい頭にきてしまった。


珍しく、夕食に全員が揃った。


玲央さんの手料理が食卓に並ぶ。


鮭の西京焼きにヒジキの煮物、大根のお味噌汁にほうれん草のお浸し。今日の夕食は純和風。


会話をするのは主に玲央さんとママで、たまに私が相槌を打ち、真央は基本、黙々と食べることに集中していて、食事が終わるとさっさと自分の部屋に戻って行った。


いつも通りの風景だ。


「またあの子に会いたいな。芽衣子ちゃんだっけ?元気のいい美雨の友達」


会話の途中で、ママが芽衣子の話をし始めたのきっかけだった。


「うん、また遊びに来たいって言ってたから、近いうちに」


ママが忙しそうだったから、芽衣子を呼ぶのを遠慮してたのはあったんだけどね。


「ああいう明るくて、裏表ない子っていいわ」


芽衣子を褒め出したところから、だんだん雲行きが怪しくなってきた。


私も芽衣子のことは大好きだから、ママが彼女を褒めてくれるのは嬉しいのだけれど、


「純粋そう」