罰を受けていない明石を見た石井が責め立てるように、言った。
「あははーこういうの大好きだわ。人の底辺が覗けるしな。やっぱりおまえそんなこと思ってたのかよ。いつもいつも純情ぶってたんだー。疲れまちたねー理乃たんーー。」
明石は何も言わない。と、その時彼女の目から水晶のような、涙がこぼれた。
「おい!威彦!言いすぎ…」
「違う!!!!」
僕の言葉を遮るように、小山が叫んだ。
「違う!理乃ちゃんはそんな人じゃない!こんなこと胸張って言えることじゃないけど、僕は理乃ちゃんをいつもみてた。理乃ちゃんは必死だったんだ、今まで、皆からちやほやされて、そのせいで、友達もあんまりできなくて、ランキング一位というレッテルをはられ、それに応じようと必死だったんだ!!理乃ちゃんは被害者だ!!」
「小山…君、、、」
明石の目から涙が零れる。
「あり…が…とう」
「い、いや僕にそんなこと言われる資格なんてないよ」
小山は少し照れ気味にはにかんだ。
僕は呟いた。
「人間も捨てたものじゃないな、やっぱり。」