「人生なんて、つまらない」
だって、世の中全て虚像だから。 
僕は金本勇。「勇」などという名前だが大した特徴のない高校二年生だ。基本的に無口で、内向的、運動神経は悪くはないがよくもなく、勉強も二百人中九十八位。他の人と少し違うのは家庭環境程度だ。
僕には父親が七人いる。母親も三人いる。詳しいことは忘れてしまったが、最初に母親と父親が離婚し、父親に引き取ってもらい、再婚。すると、癌で父親がなくなり、義母が再婚。こんなことを繰り返しているうちに、親が増えていったのだ。
どの父親も母親も最初は僕のことを嫌っていた。でも、再婚するたびに、自分を変化させ、従順になると、みんな、僕への風当たりは弱まっていった。僕はこの時悟った、人生みんな虚像だと。人は醜い生き物である。
時は二千十四年、三月十一日。高進高校二年C組、一時四十五分。とある放送が流れた。この言葉で僕達の人生は一変する、最低最悪のゲームの始まりだった。