殺戮都市

声がどんどん近くなる。


恐らく、距離にして5メートルくらい。


間も無く俺と恵梨香さんの間を通り過ぎるだろう。


まだ喫茶店にいると思って警戒していないのか、話にも緊張感がない。


「でもよ、男だったらどうするんだ?」


「ああ?んなもん殺せ。良い女にしか興味はねえよ」


3メートル……。


こんな所に隠れていても、絶対に見付かってしまう。


男は殺せ。


そう言われたら、俺が遠慮する必要もない。


この人数だ、躊躇したら間違いなく殺されるだろうから。


「女だったら四人ずつになるよな。丁度良いんじゃ……あ?」


俺達の横を……通り過ぎるまさにその時。


一人の男と俺の目が合ってしまったのだ。


まだ、何が何だか分かっていない様子で、その一人以外は俺の存在に気付いていない。


そして……男が俺の手首の色に気付いて行動を起こそうとした時。












建物の間から飛び出した恵梨香さんのトンファーが、男の鼻から上の部分を弾き飛ばしたのだ。


パンッという派手な音と男の頭部が辺りに撒き散らされ、そこにいた誰もが恵梨香さんに注目した。