殺戮都市

俺自身の身体能力は高いわけじゃない。


けれど、この日本刀がその足りない力量を補ってくれている……いや、それ以上の力を与えてくれている!


我先にと俺に迫る怪物を前にしても、何とかやれそうだと思えてしまう。


「来るんじゃねぇよ!!死にてぇのかよ!」


恐怖が……殺意へと変わる。


相手は人間じゃない、怪物なんだから、遠慮する事はない!


迫る怪物をあしらうように、日本刀で切り裂く。


もっと、もっとしなやかに。


何度か見た、恵梨香さんの戦い方。


その動きが出来ればと、不恰好ながらも真似をして。


でも、そう簡単には出来ないようで。


調子に乗って怪物を斬っていた俺の視界の左側から、大きな手が迫る。


それは直撃する事はなかったが、爪が顔の皮膚を引き裂いた。


「あぐっ!!」


顔の左半分が……熱い。


どんな傷を負ったのか分からないけど、左目を開けていられない。


「ふざけんな!」


正面に立ち塞がる怪物の頭部に日本刀を振り下ろし、俺は光の壁の切れ目へと走った。


あと少し……あと少しで東軍の陣地に入れる。


俺は理沙に会うんだ……恵梨香さんと落ち合うんだ!