愛してとは言わないから

        ◆◆◆



「ん……」


いつまで寝ていたのか、起きたら窓の外は
真っ暗だった。


サーっと血の気が引く。



わたしったら、人様のお家で惰眠を貪るなんて……!



急いでベッドから飛び起きて、リビングのドアを開ける。



「菜穂、起きた?お粥あっためてやるから少し待ってろ」


大きなソファーに腰掛け、ニュースを見ていた一之瀬くんがわたしに気付き微笑みながらそう言った。


わたしはそれに、首を振る。


「ごめんなさい、ベッド占領しちゃって。それに、ご飯用意してくれてたのに勝手に寝ちゃって……。」



「病人がくだらねぇこと気にしてんじゃねえよ。お前は今日は世話されんのが仕事だ。仕事放棄すんなよ。いいな?そこに座って待ってろって」



一之瀬くんは優しくわたしの頭を撫でてからキッチンに向かった。


その言葉だけでホッとするのはなぜなんだろう?