「ど、して、わたしに優しくしてくれるの?」 声が震えるのを悟られないようにぐっと奥歯に力を入れる。 「だって、わたしは望乃華のお姉ちゃんなだけで、一之瀬くんとは全然接点なんてなくて。優しくしてもらえるような人間でもなくて」 「俺がお前に優しくする理由が欲しいなら、一つだけ。ほっておけないから。守ってやりたくなるから。他に、理由なんてない」 わたしの言葉に被せながら力強く言った一之瀬くんに、また胸がぎゅっとする。