なんて思ってたけど、気付いたらあたしは大きな一軒家の目の前。


諒哉んちデカ。



「お姉ちゃん!早くお家来て!」

「あ、う、うん。あたし手ぶらで申し訳ないんだけど」

「大丈夫!気にすんなって。秋哉とちょーっと遊んでやって?」


諒哉のその言葉に、秋哉くんはきゃっきゃ喜ぶ。


手を引っ張られるまま家の中に入ると、親はいない模様。


2階に上がってくと、諒哉があたしの腕をぐぐっと掴んだ。


「蘭子!待って!部屋片付ける!」

「ん。待ってる」

「あのね~!兄ちゃんは水着のお姉さんの雑誌読むんだよっ」

「秋哉!?」

「ははっ……まぁ、男だからね」



そんなの百も承知。


元カレなんて遊びに行っても出しっぱだったし。


それよりは、片付けてくれる方が有難い。



諒哉が部屋にこもってる間は、秋哉くんと手を繋いでずっと待ってた。