だけどあたしは運が悪い。
一人で階段を降りてる時だった。
踊り場の所であぐらをかいて座っている桜井諒哉と、金髪、赤髪……もろもろ。
シカト決定。
「ん~!!今朝の女の子!相方のチビちゃんは?」
あたしが一人でいようが関係ないでしょ。
無視して階段をそのまま降りてると、ニヤッと笑ったアイツ。
「蘭子ちゃん。無視しないでよ~」
「……っ!?」
「俺、一応校内トップだし情報網はかなり広いってこと」
「信じらんない。とんだ悪趣味」
「ほんっと当たり強いなぁ~……」
最悪。
放っておいてほしいんだけど。
勝手に人の名前調べて、情報網を頼るって相当な悪趣味。
だからヤンキーなんて嫌いなんだ。
コイツだって、仲間とつるんでるから調子こいてるだけで一人になったら何も出来ないんでしょ?
あたしの自由を求めた高校生活は、桜井諒哉のせいでボロボロ。