長い金髪がサラッと夜風に揺れた。
あぁ………やっぱキレイだな。
「諒哉?」
「ん?ごめん。蘭子に見惚れてた♪」
「その笑顔嘘くさっ」
本気なんだけどなぁ~。
それに、こうやって別れ際になるとまだ離れたくなくて言葉を探す。
もう少しだけ一緒にいたい。
「今日楽しかった?」
「楽しかった。あと……海、好きになった。また行ってあげてもいいよ」
「じゃ、また今度付き合ってもらおっかな~!あ、次は水着で!」
「着るかアホ」
「彼氏に感謝を贈るサービスで……いてっ!」
グーでお腹に拳入れられたら、そりゃあ俺でも黙りますとも。
だけど、蘭子は楽しそうに笑ってる。
あ………笑ってる!!
可愛い………。
蘭子を抱き寄せて額にキスをした。
唇はまだダメなんでしょ?
だったら………せめて唇以外は許してね。
「なっ、何!?」
「俺なりの愛情表現。蘭子からしてくれてもいんだよ?」
「するもんか。しねぇよ」
「可愛い女の子が口悪い!」
照れて俺から目を逸らす蘭子の頭を撫でて、俺はバイクに乗った。
海好きになったのはいいけど、もっと俺のこと好きになって?

