【諒哉side】
バイクの後ろに蘭子を乗せて、薄暗くなった道を走る。
俺はもちろん蘭子の前にも彼女いたことあるけど、バイクに彼女乗せんの初めて。
緊張すんな………。
一人の時よりかなり安全運転。
たまに、ぎゅっと俺に力強く抱きつく蘭子が可愛くてニヤける。
強がりなくせにビビりで恐がり。
守ってあげたくなるに決まってんじゃん。
信号待ちで俺にしがみつく蘭子をチラッと見た。
「家まで送るけど。家どこ?」
「遠いから駅まででいい」
「いいって!せっかくだから、蘭子んちまで送らせて?」
「分かった。……ありがと」
控えめにお礼を言って住所を言う。
一応、中学の時から、ヤンチャだったし土地勘はある。
それに地理的に強いから大丈夫!
背中に蘭子の体温を感じつつ、幸せな気分で家まで送った。
「はい、着いた。降りられる?」
「降りれるよ」
小さな手を握って降ろした。

