二人で足首まで浸かって手を繋いだまま、歩く。
飾らない笑顔であたしに振り向いては、笑いかけてくれる。
その笑顔に安心するんだ。
「お~……夕日出てきた!今すっげーいい感じじゃん!」
「ほんとだ……」
「なぁ、蘭子」
「ん?」
「キスしていい?」
は………?
キス……。
付き合った経験はあるけど、キスもそれ以上もしたことない。
「む、無理!触んな!」
「そんな拒否んないでよ~!好きで言ってんだから」
「知ってる。ただ……まだ嫌。もう少し待ってほしい……」
「もちろん。蘭子の気持ちが出来るまで待つよ」
改めて思った。
諒哉は優しい。
あたしのことをいつも最優先に考えかてくれるもん。
優し過ぎて申し訳なくなるほど。
素直言えないけけど………
好き。
相当、諒哉に惚れてるよ。

