諒哉はいつも声に出して言ってくれてたけど、あたしは普段言えてなかったよね。


だから、ちゃんと声に出す。


あたしの気持ち伝えさせて。



「諒哉、大好き。…大好きだから」

「珍しいね、蘭子が言ってくれるって。俺も大好きだよ!」

「うん。良かった」

「……あ、蘭子!ちょっと」


諒哉に腕を引き寄せられて、ぐっと顔の距離が近くなると………


唇が重なった。


静かな駅で二人で重ねる唇。



ゆっくりと唇が離れると、諒哉はあたしの大好きな笑顔で笑うんだ。


その笑顔につられてあたしも笑った。



「蘭子とお泊りデートしたいなぁ〜!忙しいから、蘭子のこと独り占めしたい!」

「あたしは諒哉だけの彼女だよ。いつも独り占めじゃん」

「そうだけど!もっと近くにいたいし」



あたしも、これからもずっと諒哉の近くにいたいよ。



あたしが惚れたのは、素直な笑顔の天真爛漫ヤンキーだった。



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