いつもと同じ距離で、同じ道なのに、すごく近く感じて一緒にいる時間が短い気がする。
あたしの家の方向の電車がちょうど、駅に到着してたけどワザと逃した。
もう少しだけでいいから、諒哉の側にいさせて。
「ごめん……電車逃した」
「いいよ。俺も蘭子といたいから、逃してくれて良かった」
「…うん」
「そんな寂しそうな顔すんなよ!あ〜……あれだ!春休み中に会うか!」
「諒哉が仕事で忙しいじゃん。シフト5日入れてるんでしょ」
「いや、それは……そうだな!」
何も言えなくなった諒哉は、苦笑してあたしから目を逸らした。
あたしは専門学校行くから休みはあるけど、諒哉は仕事してるから時間ないもん。
シフト5日とか言ってるけど、平気で2週間とか連勤するし。
学校に行かない分、仕事の時間を長くするでしょ絶対に。
会えなくなる時間がもどかしい。
「……どしたの?黙り込んじゃって」
「なんか短かったなって」
「もうちょっと俺と一緒にいたかったとか可愛いこと言ってくれる?」
「うん。いたかった」
「今日素直すぎ!」
なんだか今、伝えられることは伝えなきゃダメな気がしてきたから。

