あたしの薄くなった茶髪を撫でて、大好きな声で甘く囁く。
「蘭子と一緒に住みたい」
そんなことか、って思ったの半分とこれからも一緒にいられるって嬉しくなったの半分。
あたしは頷いて、諒哉の手を引いて先を歩いた。
あたしだって諒哉とずっと一緒にいたいから。
「それ、おっけーってことだよな!やった〜♪子供何人ほしい?」
「は?結婚してないでしょーが」
「するよ!いずれか!同棲して、結婚して、子供作って、ずーっと笑ってる家族つくる!」
「諒哉がいたら楽しいだろうね」
「だろ?蘭子も子供も、みーんな笑顔にさせてやる」
その笑顔がまた好きになる。
よかった………
諒哉といられてあたしは、ほんとに幸せ者だね。
こんな無愛想で可愛くもないあたしが、諒哉に好かれるなんてびっくりだ。
「ねぇ、諒哉。あたしと付き合って幸せになれた?」
「幸せだよ。こんなに、可愛い女の子と付き合えるなんて」
「ふーん………それなら、良かった」
「あー!不安になっちゃったんだ!可愛いなぁ〜♪」
ぐしゃぐしゃあたしの髪を雑に撫でてくる。
あたしは犬じゃないんですけど。

