【蘭子side】
諒哉と手を繋いだまま、桜が舞う肌寒い外へ出た。
息を吐くと白くなる。
後ろを振り向くと、どこか寂しげに佇む校舎。
ほんとに卒業するんだ。
「蘭子?どうした?」
「あ……ううん。別に。卒業するって実感湧かなくて」
「俺もー!だけど、ほんとに今日で高校生終わるんだな。蘭子は寂しい?」
「……寂しくない」
「あんだけ泣いたくせに〜!嘘つき!」
なんて笑われた。
こうやって、諒哉とふざけて笑い合うのもきっとこれが最後。
学生が終わっちゃう。
一人で先を歩いてく諒哉に小走りで着いて行くと、あたしはびっくりした。
目を大きく見開いた先には、ずっと一緒にいたかった大切な友達。
「卒業おめでとう!蘭子ちゃん!」
「……ありす」
そこには、赤ちゃんを抱っこしてる音瀬とありすがいた。
また目がボヤけて熱くなる。
「ありす…ありがとう」
「泣きそうにならないでよ!蘭子ちゃん!貰い泣きしちゃいそうー!」
「ありすのバカ……ありすのせいで、また泣きそうだ…」
「ご、ごめんねっ」
ありすの笑顔に安心。
この笑顔にどれだけ癒されてきたことか。

