唇が離れると、蘭子は少し背伸びをして額と額をくっつけた。
そして幸せそうな顔で笑う。
俺ってめちゃくちゃ幸せだな……。
「あたしと付き合ったんだから、責任持ってずっと側にいてよね」
「当たり前じゃん。なかなか別れてやんねぇよ?」
「あたしも。諒哉が別れたいって泣いても離れてやんないから」
「俺めちゃくちゃ愛されてんじゃーん♪」
「う、うるさい」
俺から離れて先を歩いてく蘭子。
気付けば俺らって高1から付き合ってるんだよな。
最初は全く心開いてくれなくて、俺のこと毛嫌いしてんの丸分かりだった。
蘭子取り合って銀たんとも、ちょっと雰囲気悪くなったっけな。
そんなのは今になったら良い思い出。
俺らは思い出があり過ぎる。
「蘭子!」
「ん?」
「好き!大好き!離れても、なんかあったら俺のこと呼べよ!いつでも、すぐ行ってやる」
「頼りにしてる。よろしくお願いします」
ペコっと頭を下げた蘭子が俺に差し出した小さな手。
俺はその手を握ってまた長い廊下を二人で歩き出した。
俺はこれからもずっと蘭子が一番好き。
だからさ、俺の側でずっと笑っててな。

