【諒哉side】



冬休み明けの教室で俺の隣の空いた席を無意味に眺める。


銀がほんとに退学した。


今までずっと一緒にいた銀が急にいなくなるのは変な気分。



教室にいても銀がいないからクソつまんない。


だから、俺は授業をサボって他クラスの大地といつもの空き教室で合流する。


「アイツ……銀たんほんとに学校辞めたな。なんつーか、寂しいよな」

「あぁ。いて当たり前だったのに……」

「どう?銀たんのいない教室って。諒哉友達大丈夫かっ?」

「友達ね〜……。ここだけの話、チャラチャラしたヤツらが俺の地位目当てで来てウザイ」

「諒哉も十分チャラチャラしてるけどね」


大地は窓の外に向かってタバコの煙を吐いて笑った。


その笑顔は寂しいもので。


俺も虚しく笑ってみた。


「頑張って仕事先探してんだろうなぁ〜今頃。銀たんがパパね……」

「父親になるんだもんな。銀すげーよ」

「ありすちゃんを不安にさせたくないんだろ。やっぱり責任感じてるみたいだし…」

「俺でも感じるよ」


もしも、蘭子にそんなことがあったら。


俺も責任感じるだろうけど、銀ほど冷静に物事進められないだろうな……。