今度は馴れ馴れしく俺に肩を回してきた。


校門を通るヤツらはみんなびっくりした顔で、チラチラ俺らを見てくる。


そりゃあ、校内トップにこんな態度取ってんだもんな。


びっくりもするわ。



「ランのこと俺にくれない?」

「無理。まず、蘭子はモノじゃねぇしそんな簡単に渡せねぇ」

「頼むって~!貸してくれるだけでもいいからさ!」

「もっと無理。つーか、お前そろそろ殴るよ?お前みたいなの一番腹立つ」

「やれるもんならやってみろよ~!金髪くん」


入れ首を掴んだ瞬間、俺の腕を蘭子が掴んだ。


「お願いだから……ケンカやめて」

「……蘭子はよけてろ」

「諒哉!守ってくれるのは嬉しいよ……でも、諒哉が傷付いちゃ意味ないから」


そんな切なそうな目で見られたら………


ケンカ出来ねぇじゃん。


入れ首から手を離して空に向かってため息。



「なーんだ!殴れねぇの?」

「すっげー殴りたい。けど、蘭子悲しませんのヤダからやめだ、やめ!……帰るぞ」

「う、うん」


歩き出した俺とのすれ違い様に言われた一言。


「またな、金髪くん……」



解決まではまだ遠いらしい。