抱っこって疲れるな……。


腕痺れてきた。


我慢して抱っこしてると、電車から降りて来た長い金髪の女の子。


蘭子ー!!



「諒哉……何してんの?誘拐?」

「してねぇわ!!真夕美さんって知ってるだろ?その娘」

「へぇ~。で、あたしに子守りすれって?」

「手伝って下さい。お願いします。俺がやると泣かれます」

「しょうがないな。……名前なんてゆうの?」

「……亜夕…」


怯える亜夕の頭を優しくなでると、ニッコリ笑った。


やっと笑ってくれたー!


しかも、初対面の蘭子が撫でると笑顔になるって俺どんだけなつかれてねぇのさ。


「りょーや」

「どうした?亜夕~」

「お姉ちゃんのとこいく」

「え?」


俺の腕から抜けて、蘭子の首に手を回す。


これには蘭子も苦笑しながら、亜夕を受け止めた。


あ、俺ちょー虚しい!!


「お姉ちゃん好き」

「あ、ありがとう」


俺は亜夕が赤ちゃんの時から会ってるのにな~……。